スマートフォンが普及した今、「近くの○○」といった検索が急増しています。なぜなら、Google検索のマップから簡単に近くの情報を探せるようになったからです。Google検索のマップ検索で自社店舗やサービスを上位に表示させる方法として、ローカルSEOが注目されています。ローカルSEOを活用することで、お店や施設の近くにいるユーザーへの効果的なアプローチが可能になります。
本記事ではローカルSEOの概要やMEOとの違いをはじめ、優先すべき対策について図解を交えながら丁寧に解説します。地域での集客を目指すお店や施設などにとって必見の内容です。この記事を読むことで地域SEOの基本が理解でき、実践的な施策を取り入れる準備が整うでしょう。
この記事の目次
ローカルSEOは特定の地域に関連する検索結果で上位表示を狙う施策です。地域名を含む検索キーワード「地域名＋業種名」に対してSEO対策を行うことで、例えば「大阪＋業種名」で検索した場合、大阪エリアにいるユーザーに自サイトをアピールすることができます。これによって、地域密着型の集客効果を大きく高めることができます。
また、Googleマップを活用した検索結果であるローカルパック*は、ユーザーが地域名や地図機能を使った際に表示されます。ローカルパックに表示されるということは、非常に視認性が高いため、ビジネスの認知や集客に繋がりやすくなります。
ローカルパックとは地域に根ざしたキーワードや「地域名＋業種」などの検索に対し、地図情報と共に検索結果の最上部に表示される3件のビジネスリストのことを指します。
「印刷 大阪」での検索結果です。
ローカルパックに表示される情報は、Googleビジネスプロフィール（旧Googleマイビジネス）に登録された店舗情報に基づいています。また、表示される内容や項目は、使用しているデバイス（PCブラウザやスマートフォンなど）や検索キーワードのビジネスのカテゴリーによって変わることがあります。
MEO対策とはGoogleマップ上での検索結果を上位に表示させるための対策です。ローカルSEOがGoogle検索における地域キーワード対策に焦点を当てる一方で、MEO対策はGoogleマップ内での見え方を改善するための施策と言えます。
MEO対策では店舗情報は正確に記載し、最新情報やレビュー対策など、Googleマップでの見え方を良くすることで、Googleマップで上位表示することが可能になります。具体的には、店舗の写真を更新したり、顧客レビューに返信することなどがMEO対策に含まれます。
スマートフォンが急速に普及した結果、ユーザーは「地域」と「業種」を組み合わせた検索を頻繁に行うようになりました。地域と業種で検索するユーザーは購買意欲の高いユーザーです。
例えば、地元でサービスを探しているユーザーに対し、地域検索を強化することで即購入や来店に繋がる集客が期待できます。つまり、地域SEO対策をしっかり行うことで、地元の顧客に自店を知ってもらったり、最新情報を提供することで、来店やサービス利用を促すことができるのです。また、リピート利用や口コミ拡散を促す効果もあるため、長期的な集客の基盤の強化につながります。
ローカルSEOは大手チェーン店との競争が激しい中小企業や個人店舗にとって特に重要です。理由は、地域に特化することで広範な広告費をかけずに効果的な集客が可能だからです。
例えば、地元に住んでいる方や観光客をターゲットにキャンペーンやイベント情報を発信すれば、地域での認知度が高まり、集客効果が期待できます。こうした施策により顧客との接点を増やし、集客の基盤を強固にできるのです。
ローカルパックはユーザーが近くの店舗やサービスを探す際に表示される検索結果の形式です。
主な種類は以下の通りです
上位 3店舗の情報が表示されます。
上位3位の順位は検索したタイミングやアカウント毎に表示される順位が変わります。
ローカルパックでは「店舗の情報＋Googleマップ」の形式で表示されます。
「その他のお店やサービス」をクリックすると、ローカルファインダーと呼ばれる表示形式になり、4位以降の店舗情報も確認できます。
ローカルファインダーでは関連施設が左側に表示されます。
スナックパックは主に飲食店や娯楽店など特定の業種で利用される簡易形式の検索結果です。スナップパックの特徴は店内写真が見れることです。Googleはユーザーの利便性を高めようとしていることがわかります。
特定地域内の店舗やサービスをアルファベット順に表示します。
特に口コミの重要度が低い施設がABCパックで表示されます。
口コミの重要度が低い施設の例
これらの表示形式の違いを理解し、自社の業種や地域に応じた最適化を進めることが重要です。
例えば、レストラン経営者であれば、ローカルパック内で目立つ位置に表示されることを目指し、店舗情報や口コミを充実させる必要があります。
ナレッジパネルは検索結果ページの右側に表示される情報ボックスで、企業や店舗に関する基本情報を目立つ位置に配置します。ここに表示される情報が多く、写真が綺麗で印象が良ければ、ユーザーからの信頼を得やすくなるということです。
ナレッジパネルを活用するために、まずGoogleビジネスプロフィールに正確で詳細な情報を入力することが重要です。例えば、営業時間や連絡先、写真、レビューなどを充実させることで、ブランド認知度が向上し、実際の来店や問い合わせに結びつきやすくなります。
ローカルSEOのメリットは3つです。
地域特化型のSEOは全国規模のSEOに比べて競合が限定的であるため、比較的シンプルな対策で上位表示を狙うことができます。地域密着型のキーワードでSEO対策を行うことで大手との差別化が図れます。
具体的な施策としては、地域名を含むコンテンツ作成や、地域の情報サイトと相互リンクをするなどが挙げられます。また、長期運用しているサイトとの相互リンクも、リンクの信頼性という意味でSEOには有効に作用します。
「地域＋業種」で検索上位に表示されることで、地域ユーザーに対して強い影響力を持つことが可能になります。
Googleビジネスプロフィールは無料で登録・利用ができるため、基本機能を活用するだけで大きな効果が得られます。加えて、ローカルSEOは特定の地域に限定されるので、広告費を抑えて効率的な集客が可能です。
例えば、FacebookやInstagramなどのSNSを活用して無料で情報発信することも、費用対効果を高める方法となります。そのため、中小企業や個人事業主でも低コストで始めやすい施策なのです。
ローカルSEOは購買意欲の高い地域ユーザーに直接リーチできるため、来店確度が非常に高い施策です。なぜなら、ユーザーは近隣の店舗やサービスを探している場合が多く、その場での行動に結びつきやすいからです。例えば、店舗型ビジネスにおいては特に顕著な効果が期待できます。
GoogleビジネスプロフィールはローカルSEOの基盤です。
登録は以下の手順で登録を進めましょう。
まず、Googleアカウントを用意します。
ビジネス専用のアカウントを作成することを推奨します（特に複数人で管理する場合）。
「管理を開始」ボタンをクリックします。
ビジネス名、業種、住所、電話番号、ウェブサイトURLなどの基本情報を入力します。
店舗が実際に存在する場合は住所を正確に記載し、地図上でピンの位置を調整します。
Googleはビジネスの所有権を確認するために「オーナー確認」を求めます。通常、ハガキで確認コードが送られてきます。このコードをGoogleビジネスプロフィールの管理画面で入力して認証を完了します。
営業時間、サービス内容、写真、ロゴなどを追加します。特に写真は、ユーザーの関心を引くために重要です。
営業時間の変更や新サービスの追加といった重要な変更があれば、すぐに反映させることが大切です。更新により、ユーザーにとって魅力的な情報提供が可能となります。
以下の情報を正確に記載します
定期的に情報を更新し、最新の状態を保つことが大切です。
営業時間や住所の変更、新しいサービスや商品の追加があった際には、迅速に情報を更新することが重要です。なぜなら、情報の鮮度を保つことでユーザー満足度の向上と検索順位の維持に繋がるからです。
具体的には、Googleビジネスプロフィールや自社サイトの情報を定期的に見直し、不明確な点や古い情報がないか確認します。更新履歴を記載することで、常に最新情報をユーザーに提供し続ける姿勢をアピールでき、信頼性も向上します。
Googleビジネスプロフィールでは投稿機能が使えます。
ユーザーに最新情報を届けることができます。
印象を決定づける大切なポイントです。写真と動画でユーザーの心をつかめます。
以下の内容がユーザーの興味を惹くことができます。
写真よりも動画を活用することで、より詳細な情報を伝えることが可能です。
Googleビジネスプロフィールではユーザーからレビューがもらえます。
良いレビューもあれば悪いレビューもあります。
店舗であれば、来客していただいたユーザーに直接口コミをお願いすることでGoogleビジネスプロフィールの口コミを増やすことができます。オンラインだけではなくオフラインでの活動も大切です。
口コミはローカルSEOにおいて信頼構築の重要な要素です。言い換えれば、ポジティブな口コミはもちろん、ネガティブな口コミにも誠実に対応することが大切です。
例えば、以下のポイントを意識します
具体的には、これらの取り組みにより顧客満足度の向上と潜在顧客からの信頼獲得が期待できます。
飲食店やサービス業の場合、オンライン予約や注文の画面に飛ばすことができます。
MEO（Map Engine Optimization）はGoogleマップやローカル検索でビジネスを上位表示させるための施策です。
以下のポイントを押さえることで、上位3位（ローカルパック）に入る可能性が高まります。
「地域名＋業種名」のようなローカルキーワードを意識して、投稿や説明文に盛り込みます。
例：「大阪 美容室」でMEO対策で上位表示を狙う場合
大阪市北区に位置する【店舗名】は、大阪の美容室として多くのお客様に選ばれています。最新のヘアスタイルから定番のカット、カラー、パーマまで、経験豊富なスタイリストが一人ひとりの魅力を引き出すお手伝いをいたします。
定期的に写真や投稿を追加することで、アクティブなビジネスであることをアピールします。投稿内容には、季節のキャンペーンや新商品の情報を含めると効果的です。
他のウェブサイトやSNSからのリンクを増やし、ビジネスの信頼性を向上させます。 サイテーション（他のウェブサイトでのビジネス情報の言及）も重要です。自店舗のことを他のサイトで話題に挙がると、MEO対策で上位表示の可能性があがります。
Googleはローカル検索結果を決定する際に「関連性」「距離」「知名度」の3つの要素を重視します。
関連性はユーザーの検索意図にどれだけ合致しているかを示し、距離は検索地点からの物理的な近さを反映します。知名度は口コミや評価、ウェブ上での言及度などによる信頼性を表します。
具体的には、これら3要素を最適化するために、ターゲットとなる地域での評判を高めたり、地域に密着したコンテンツを提供したりすることが効果的です。例えば、地域のイベント情報をブログで発信するなどが良い例です。
NAP情報（Name, Address, Phone number）の一貫性は、検索エンジンに信頼性を示すために非常に重要です。
異なるプラットフォームで表記ゆれが生じると検索順位に悪影響を与える可能性があるからです。
つまり、全てのインターネット上の情報、SNSや自社サイトで同じNAP情報を使用し、定期的に確認・更新することで、検索エンジンからの評価が向上し、地域検索での上位表示に繋がります。
顧客に口コミを依頼する際は、購入後やサービス提供後など適切なタイミングを見計らうことが重要です。
具体的には、以下のような方法が有効です
これらの具体策を組み合わせると、口コミを効率的に集めることができます。
音声検索の普及に伴い、ユーザーは自然な会話調で検索する方が増えています。つまり、音声検索で検索されるキーワードで上位表示されるニーズに合うコンテンツが求められます。
音声検索に対応するためには、以下の点に注意します
こうすることで、音声検索を利用するユーザーにも適切に情報を届けることが可能になります。
SEO対策は大きく4種類に分けられます。
以下の通りです
ユーザーが探している情報をわかりやすく提供する記事やページを作ることです。検索エンジンは、役に立つ情報を提供するサイトを好むため、詳しくて分かりやすい内容を書くことが大切です。例えば、質問に答えるような記事や、問題の解決策を提示する内容を書くことで、ユーザーにも検索エンジンにも評価されやすくなります。
内部SEO対策とはウェブサイトにキーワードを追加したりサイト構造をわかりやすく使いやすくする対策のことです。これによりユーザーが必要な情報を簡単に見つけられるようになり、検索エンジンも内容を理解しやすくなります。例えば、適切な場所にキーワードを入れること、読みやすく質の高い文章を書くこと、サイト内のリンクを整理することなどが含まれます。
外部SEO対策は、自分のサイト以外のサイトからリンクをもらったり、SNSでの評判を上げたりして、サイトの信頼性を高める方法です。質の良い他のサイトからリンクをもらうと、検索エンジンが「このサイトは信頼できる」と判断しやすくなります。また、SNSで良い評価が増えると、ブランドの知名度もアップします。これにより、検索結果で上位に表示される可能性が高まります。
ページの読み込みを速くしたり、スマホでも見やすいデザインにしたり、安全な通信を確保することでサイトを使いやすくすることでSEO対策に有効になります。具体的にはウェブサイトをスマートフォンやタブレットでも快適に使えるようにしたり、SSL証明書を使って情報を安全にやり取りできるようにすることです。これにより、訪問者にとって使いやすく安全なサイトになります。
これら4つをバランスよく実施することが鍵となります。
地域特化型のビジネスでは、まず地域SEOを優先的に強化することが推奨されます。なぜなら、地域SEOが集客の基盤になるからです。一方、全国展開を目指す企業は全国キーワードや単一キーワードでのSEOを基盤に戦略を組み立てる必要があります。
例えば、自社のビジネスモデルやターゲット市場に合わせた地域キーワードでのSEOと全国キーワードでのSEOのバランスを考慮した優先順位を設定します。地域密着型の店舗ならローカルSEOに重点を置く一方で、将来的な全国展開を見据えて内部SEO対策やテクニカルSEO対策も並行して強化していく戦略が有効です。
ローカルSEOは地域に根ざしたビジネスにとって非常に強力な武器となります。Googleビジネスプロフィールを活用した基本対策から、音声検索や口コミ管理といった最新のローカルSEO対策に対応する方法まで取り組むことで検索結果での露出を高められます。
この記事ではローカルSEOの基本概念から具体的な対策方法までを解説しました。地域での強固な集客基盤を築き上げるためのヒントになれば幸いです。
本記事の内容は公開時点の情報であり、Googleアルゴリズムや市場状況の変化に応じてアップデートが必要になる場合があります。
SEO対策 コンサルタント
吉留 隆
SEO対策歴10年以上｜100超サイトの制作実績
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