雑誌やパンフレット、文庫本など身の回りには多くの冊子が存在しています。製本には「中綴じ」や「無線綴じ」がよく用いられますが、ページ数や見栄え、 耐久性など、何を重視するかによって綴じ方も変わってきます。冊子は主に針金や接着剤、糸でとじられています。
本文と表紙を同時に丁合し、二つ折りにしたセンター部分を2~3か所針金で綴じる方法。表紙を含めて、8ページから印刷が可能です。ページ数は、必ず4の倍数となります。紙厚にもよりますが、8頁から52頁程度まで製本可能です。また、ページ数が増えるとその分外側のページと内側のページ幅に差が出てしまい飛び出るため、断裁される部分が発生するため、ページ数が多い冊子には不向きです。一方、中綴じは根元部分まで開くことができるため、写真やイラストを見開きでレイアウトする場合には向いてます。また、大量に印刷する際には無線綴じに比べて安価で仕上がるというコスト面のメリットもあります。
(使用例:週刊誌・パンフレット・楽譜・会社案内等)
本文の背を接着剤で固めて、表紙用紙でくるむ方法。本文の総ページ数は2ページ単位で加工が可能で、ページ数が増えても見栄えよく製本することが出来ます。ページ数が少なすぎると背表紙ができないため、注意が必要です。加工の特性上、無線綴じは根元まで開くことが出来ないため、見開きをたかったデザインには不向きです。
(使用例:文庫本・辞書・カタログ・写真集など)
トナー式とインクジェット方式のそれぞれのメリットとデメリットは上記に述べましたが、共通のデメリットとして、オンデマンド印刷は、温度や湿度、印刷機のコンディションによって同条件(同じデータ、同じ印刷機、同じ設定、同じ紙)で印刷しても色味が多少変わることがあります。また、同じデータでもオフセット印刷とも色味が異なります。
また、DICやPANTONEといったチップの色に合わす特色印刷や、蛍光オレンジや蛍光ピンクのような鮮やかな色の再現は不可です。また、オフセット印刷と違い、印刷位置にも数ミリ単位で若干の誤差が出るため、その後のトムソン加工や箔押・エンボス加工等シビア仕上がりを求められる商品は、オフセット印刷をお勧めいたします。しかしながら、最近は高性能なオンデマンド機が各種メーカーから登場し、印刷品質が安定・向上してきたことから、オフセット印刷では実現が難しい多種類勝小部数の商品を印刷する有効な手段として選ばれています。何より、オンデマンド印刷は、速乾ですので、スピーディーに後加工の工程に進めて短納期、小ロットが低コストで作成できることが、最大のメリットです。
本の背から5mm程の位置を針金で綴じる方法。簡単に作成することができるため、オフィスや学校の資料作りによく用いられます。耐久性はあるが、綴じた部分まで開かないので使いにくい。ページ数が増えると針金で留められなくなり強度も落ちるため、ページ数が少ない冊子向けです。(使用例:企画書・配布資料など)
無線綴じの接着剤に、PUR系ホットメルト接着剤を用いた方法。通常の無線綴じよりも開きやすくなっているため、見開きでのデザインがしやすい、ノド部分が見やすくなるといったメリットがあります。また、耐久性、耐熱性に優れており、屋外での使用にもお勧めです。通常の無線綴じに比べるとややコストが上がることと、接着に時間がかかるため加工日数が伸びるというデメリットがあります。
(使用例 写真集・パンフレット・地図・レシピ本など)
本文、表紙に穴を開け、プラスチックのリングで留める方法です。メモ帳やリングノートなどでよく「目にする製本方法です。360°ページを開くことができるため、プレゼン資料やマニュアルなどビジネスシーンに向いてます。
(使用例:カレンダー・マニュアル・絵本など)
本の背を糸でかがって綴じる方法。本のノドいっぱいまで開きやすく、耐久性に優れており、長持ちしますが、手間とコストがかかるというデメリットがあります。(使用例:書籍・辞書・百科事典・写真集など)
中身を別仕立ての厚い表紙でくるむ製本。
表紙が本文より一回り大きく、本文をしっかりと保護することができる為、丈夫な本に仕上がります。そのため長期保存に優れているというメリットがあります。また、表紙の厚紙を布や革でくるみ、ぜいたくな仕様にすることも可能です。その他の製本(並製本)に比べると工程が多くコストや納期がかかるというデメリットがありますが、立派な本を作成する際にはおすすめです。
(使用例:小説・絵本・記念誌・写真集など)
※ 通常横書きのものは、左綴じ、縦書きのものは右綴じになります。
メモ帳や納品書など何組かを糊で固めて1冊にしたもの
複写伝票で下の用紙に複写されないように下敷きを綴じ入れてある冊物。
複写伝票などで2P、3P毎で1組のセット状態になっていて、冊加工されていないもの。天糊、左糊など用途に合わせて糊付け位置が違う。
左右両端に穴が開いているドットプリンター向けの伝票。
加工した部分に文字が複写されない加工です。伝票の複写したくない部分に加工します。
表紙の表面をビニールで貼り、強度や見栄えを上げるための加工。水に強く破れにくい。光沢のあるグロスPPとツヤ消し調のマットPPがあります。本の表紙などで、よく用いられる片面のみで安価なプレスコートや下敷きのような厚くて硬い仕上がりになる硬質塩ビ加工なども出来ます。
複書籍の中身と表紙をつなぐために糊で貼り合わせた加工。上製本や無線綴じ製本に用いられる。
板紙等の厚紙に、折り筋を入れ曲げやすくする加工。本の表紙やメニューなどが開きやすくなります。
一般の印刷とは違った工程で、金型を作り、金や銀箔を型押ししたり、印刷部分や紙を盛り上げたり、へこましたり(凹凸をつくる)する加工。
会社ロゴや社名、ハードカバーの上製本のタイトルなどに良く用いられます。
パンチ穴は、ファイル等をする為の穴あけ加工。一般的に背中より10mmの位置、穴と穴のピッチは80mm、穴の直径は6mm。
用途に合わせて4~5mmの小さい穴にすることも可能です。
ポケットカレンダーや名刺などで角を丸く落とす加工。
ラインミシン加工や、ミシン目が0.1mm~0.4mmと細かいピッチで、プリンターに引っかかりにくいマイクロミシン、ミシン加工が垂直やT字に入るジャンピングミシンなどがある。
伝票やチケットなどで通し番号をつける加工。